第2回GDP速報化検討委員会議事概要

1.日時: 平成10年11月2日(月)  10:00~12:00

2.場所: 経済企画庁官房会議室(729)

3.出席者:

栗林 世委員長、外川 洋子、中村 洋一、西村 清彦、舟岡 史雄の各委員及び
大平 純彦、西山 茂、宮川 努、渡辺 源次郎 の各ワーキンググループ委員
貞広経済研究所長、安原経済研究所次長、加藤総括主任研究官、
土肥原国民経済計算部長、大脇企画調査課長、豊田国民支出課長他

4.議題:

   代替的アプローチによる民間在庫品・民間設備投資等について

5.議事内容

(1)栗林委員長より挨拶の後、土肥原国民経済計算部長より、『代替的アプローチによる検討(民間在庫品増加・民間企業設備)』『物的推計法による推計結果』等について資料に沿って説明。

(2)説明後、自由討議。委員からの主な意見は以下の通り。

①代替的アプローチ(民間在庫品)について

  • 商品手持額の計数そのものの信頼性という問題があるが、原材料在庫指数を除いて、製品在庫指数と商品手持額を指数化したもので推計してはどうか。試算をして両者の相違を検討したい。

  • 商品手持額は売れないで溜まるものと、売れるので手持額を増やすものがあるが、数値化すると性質が異なるものが同じになる。その場合、販売額指数等ほかのものとすりあわせをするのか。

  • メーカーが小売店等に在庫をもたせると商品手持額の中に入る。売れ行き不振のため押し込み在庫が拡大すると差が出てくる。

  • メーカー在庫と区別できないのであれば、製品在庫指数と商品手持額を一緒にした方が精度が高まるのではないか。

  • 製品在庫指数の一部が商品手持額の中に含まれる。商品手持額は、流通段階の在庫とメーカー在庫が含まれているので一緒にするのはどうか。信頼度はともかく、ウェイトが高く販売不振になると一番最初に現れるのが、商品手持額の増減である。これを何らかの形で反映させることは検討する価値がある。

  • 7~9月期方式の在庫指数は総合ポイント差指数にまとめて推計しているが、これは全ての推計式の係数に、1次式のリストリクションをかけていることになる。リストリクションをかけないで入れると在庫双方の関係とディスターバンスとの関係で信頼度が落ちる形になるため、説明力を高めるためどうすればいいのか考えるべき。

②代替的アプローチ(民間設備投資)について

  • 推計期間について短期の推計であれば、受注から進捗に至るまでの期間は時期により大分変化するので、長ければ安定するということでもない。自由度が十分確保できれば、短期的な変動を捉えられる推計期間の方が適当である。

  • 通信関係の設備投資のウェイトが高まりつつあるが、機械受注あるいは建設工事受注で十分捉えられるのか。

  • 設備投資に関しては、「法人企業動向調査」「機械受注統計」ともに、物的推計に比べタイミングや精度の面で劣る。仮に1カ月と少しであれば、在庫も含めて物的推計しかない。ただし、2次QEを出すとき、「法人企業統計季報」による再推計を行うと思うが、かなりの改訂率が出てくるのではないか。

  • コモ法で機械と建設に分けて産業連関表ベースで推計する方法は、資本形成を有形固定資産の中で考えているため、基本的に産業連関表の枠内にある。QEに先立つヒアリング調査などの補強や、93SNAで出てくる有形固定資産を離れた資本形成というような視点も必要ではないか。

  • 「法人企業動向調査」を使う7~9月方式と、「法人企業統計季報」を使う推計のターニングポイントに関するズレについて、長期間推計することで規則性を見出すことができれば分析可能である。今の日本経済のように特殊な場合については規則性が崩れるのでその辺も分析すると将来役立つ。

  • 物的推計は、民間設備投資だけをやるよりも、総固定資本形成で推計した方が精度が高いはず。

  • 1次QEに通産統計を用いるのは、一度採用していた方法を復活する印象を与えないか。人的統計は、これからのSNAの速報、確報含めてメインの統計にしないと割り切るとすっきりする。しかし、人的統計を支出系列のベーシックな統計にするという枠を維持するのであれば、QEが人的統計に基づくのものにならざるを得ない。

  • 重要なポイントはQEの推計の性格をどう考えるかであり、「法人企業統計季報」を今のQEに使うのか否かが問題となる。

  • QEに先立ってヒアリング調査ができるのであれば、どこかポイントとなるところにヒアリング調査をして補うことができれば非常に有用である。

③その他

  • 早期化が言われているが、日本の数値は改訂が少ないので、安心して使える。一方、アメリカは頻繁に大幅に改訂されていたので、遅くした経緯もある。早期化すれば、精度は落ちざるを得ない。

  • 輸送関係の統計の公表が遅い。こうした統計が早くなれば、生産面からのアプローチもしやすくなる。

  • 生産アプローチは、地域の県民経済計算の早期化にも有効と思われる。

以上

なお、本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があり得ます。

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