第4回GDP速報化検討委員会議事概要

1.日時:平成11年2月24日(水) 14:00~16:00

2.場所:経済企画庁官房会議室(729)

3.出席者:

栗林 世委員長、新居 玄武、中村 洋一、西村 清彦、舟岡 史雄の各委員及び
西山 茂、渡辺 源次郎 の各ワーキンググループ委員
貞広経済研究所長、安原経済研究所次長、加藤総括主任研究官、
土肥原国民経済計算部長、大脇企画調査課長、豊田国民支出課長他

4.議題:

  1. 勤労者世帯を用いた消費推計について

  2. 公的固定資本形成の推計方法等について

  3. 表章形式についての対応方針

  4. 海外調査結果の概要について

  5. QE暫定値(仮称)公表時期と各需要項目毎の欠落状況及び考えうる代替推計

5.議事内容

(1)栗林委員長より挨拶の後、土肥原国民経済計算部長より、『消費および公的固定資本形成の推計』『表章形式についての対応方針案とQE暫定値(仮称)』等について資料に沿って説明。

(2)説明後、自由討議。委員からの主な意見は以下の通り。

①勤労者世帯を用いた消費推計及び公的固定資本形成の推計について

  • 勤労者世帯を用いて推計するのは、トレンドを用いるよりはるかに良いと思う。

  • 推計上、非勤労者世帯に該当する無職・高齢者世帯は、教育費をほとんど支出していない等、費目・品目によって勤労者世帯と明らかに支出の仕方が違うものが出てくる。そのようなものについては、少し工夫して処理すれば更に精度が高まると思う。

②海外視察報告、表章形式及びQE暫定値(仮称)等について

  • イギリスでは、当該期間終了後、3週間で生産系列のQEを公表しているが、支出面・分配面のデータとのクロスチェックにより速報性と正確性の兼ね合いを図っており、わが国にとって1つの参考にすべき例である。

  • 短期的に経済変動を観測するための指標として生産系列は非常に優れている、というのが、諸外国の推計担当者の認識であった。

  • 物的推計を最後まで貫徹した場合にも問題がある。一つは在庫をIIPで推計すると仕掛品か流通在庫か区別がつかないことで、もう一つは物的推計で民間企業設備投資を推計する場合、機械、その他の資本財は全て民間であると仮定をおくことである。いずれも法人企業統計季報が出た段階で見直すかどうかという問題がある。

  • QE暫定値(仮称)は物的推計によって速報性を確保し、現行QEは他のSNAとの相互連関もあるので人的推計によって推計するけれども、概念定義としては同じである、という整理でいいのではないか。

  • 公的需要の四半期値が、QE暫定値(仮称)の段階で最も推計精度が低くなると思う。この部分について一括りにしておく方が、誤差が多少矯正されるのではないか。また項目ごとに出すと、その項目の数値が評価されるようになる。

  • QE暫定値(仮称)の推計方法は必ず尋ねられるものであり、現行QEと異なる点も外部に明確に説明しないと信用されない。表章形式も推計方法と整合的でないといけないわけで、一括推計したものは一括表章し、積み上げで推計したものはきっちり内訳を示すことが必要。

  • QE暫定値(仮称)と現行QEとで、推計方法を変えて出す事は無理ではないか。短期的にはできても長期的に安定的な推計を維持することは難しい。

  • 1カ月10日にすると消費の部分である6割の数字が現行QEと同じになる。案として1カ月10日と1カ月5日があるが5日早めることにどの程度意味があるのか。

  • IGがないのは、全体の資本形成をコモ法で推計しているためであり、内訳がなくとも推計できるという説明でよい。

以上

なお、本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があり得ます。