ESRI Discussion Paper No.367 インフレ期待形成:アンケート調査を用いた分析

2022年3月
菊池 淳一
横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科博士後期課程;大阪大学社会経済研究所
中園 善行
内閣府経済社会総合研究所主任研究官;横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科客員准教授

要旨

本研究ではインフレ期待を測定する新しい手法を提案し、家計のインフレ期待の形成過程を分析した。本研究の発見は次の二点である。第一に、経済全体の物価の動きについて少なくとも四半期に一度情報を収集している家計は半数弱にとどまった。第二に、インフレ期待は足もとの食品価格の変化に有意に反応していた。家計が物価に関する情報を絶えず収集しているとは限らず、また頻繁に購入する財の価格変化に応じてインフレ期待が修正されるという事実は、インフレ期待は食品価格の動きをシグナルとして形成されている可能性を示唆している。


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全文の構成

  1. 1. Introduction
    page2
  2. 2. Survey and inflation expectations
    page5
  3. 3. Do consumers’ forecasts respond to a change in the oil price?
    page15
  4. 4. Conclusion
    page20