ESRI Discussion Paper No.375 テレワーク、マネジメント、テクノロジー

2023年4月
大山 睦
一橋大学イノベーション研究センター教授
神林 龍
一橋大学経済研究所教授

要旨

本論文では、「マネジメントや組織構造に関する調査(JP MOPS)」を利用して、テレワーク実施の促進要因を分析する。多くの既存研究において、職種の特性や労働者個人の属性に着目して、テレワークを促す要因の分析が行われていた。本論文では、構造化されたマネジメントとテクノロジー導入という組織の特性に焦点を当て、それらがテレワークの実施を促進するかどうかを考察する。主な分析結果は以下の通りである。第一に、マネジメントが構造化されている事業所はテレワーク実施率が高い。第二に、人的資源管理に関するマネジメント・プラクティスと生産管理に関するマネジメント・プラクティスの両方がテレワークの実施と正の相関関係にある。第三に、短期的ではなく、長期的なマネジメントの改善がテレワークの開始と正に相関している。最後に、最新テクノロジーを導入している事業所はテレワーク実施率が高い。これらの結果は、構造化されたマネジメントとテクノロジーが企業間や事業所間におけるテレワーク実施率のバラツキを説明することを示唆している。


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全文の構成

  • 1 Introduction
    page2
  • 2 Brief Literature Review
    page3
  • 3 Data
    page5
  • 4 Results
    page7
  • 5 Conclusions
    page12
  • Reference
    page15
  • Tables
    page16