ESRI Discussion Paper No.382 東京都及び近郊7県における人口の社会増減と出生率の分析

2023年7月
北川 諒
内閣府経済社会総合研究所研究官
野村 裕
内閣府経済社会総合研究所元総括政策研究官

要旨

本稿では、2000年から2020年の20年間の時期における東京都及び近郊7県の市区町村単位のパネルデータ分析を行った。地域の固有差を考慮したうえで、どのような要因がどの程度出生率に影響を及ぼしているかを明らかにすることを試みた。その結果、社会増は出生率にプラスの影響を及ぼし、東京都及び近郊においてその傾向が強いことが分かった。ただし、コロナ禍の影響もあり、近年になるほどその傾向が強まっているかどうかは明らかにはならなかった。また、出生率には観測できない要因が影響を及ぼしており、東京都及び近郊においては特にその影響が大きく、地域の固有差をコントロールした固定効果モデルによる分析が支持された。加えて、社会増加率が高い地域及び出生率が高い地域の特徴の分析を行い、両地域の暮らし全般に対する満足度が相対的に高い傾向があることや総じて移住後の満足度が改善することを確認した。


全文ダウンロード

東京都及び近郊7県における人口の社会増減と出生率の分析(PDF形式:1.3MB)PDFを別ウィンドウで開きます

全文の構成

  1. 1 はじめに
    2ページ
  2. 2 社会増減と出生率の動向のパネルデータ分析
    4ページ
  3. 3 社会増加率と出生率上昇が高い地域の属性・満足度、地方移住者の属性・満足度
    18ページ
  4. 4 考察
    23ページ
  5. 参考文献
    25ページ
社会増減数マトリックス(Excel形式:3.5MB)ファイルを別ウィンドウで開きます