ESRI Discussion Paper No.389 市場支配力と労働分配率
2024年3月
- 長尾 遼也
- 横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科博士後期課程
- 中園 善行
- 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官、横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科教授
- 丹後 健人
- 横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科博士後期課程
要旨
本論文では、日本のデータを用いて市場支配力と労働分配率の関係を分析した。まず市場支配力の代理変数としてマークアップを推定した。企業レベルでマークアップを推定したことにより、次の5点が明らかとなった。第一に、日本においてマークアップは安定的に推移していた。第二に、マークアップは右に裾が長い分布となっていた。第三に、マークアップは企業年齢と負の相関があった。第四に、マークアップは企業規模と負の相関があった。第五に、マークアップは製造業よりも非製造業の方が高かった。さらに本論文では、マークアップが労働分配率にどのような影響を与えるのかについて分析した。分析の結果、マークアップが上昇すると労働分配率は低下する一方、資本分配率は上昇することが分かった。
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全文の構成
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Abstractpage1
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1 Introductionpage2
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2 Datapage4
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3 Estimating markupspage4
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4 Markups at the firm levelpage6
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5 Markups and labor sharespage7
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6 Discussionpage9
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7 Conclusionpage9
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Referencespage11
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Figurespage14
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Appendixpage25