第1回GDP速報化検討委員会議事概要

1.日時:  平成10年7月31日(金) 10:00~12:00

2.場所:  経済企画庁官房会議室(729)

3.出席者:

栗林 世委員長、新居 玄武、外川 洋子、中村 洋一、舟岡 史雄の各委員及び
大平 純彦、西山 茂、宮川 努、渡辺 源次郎 の各ワーキンググループ委員
貞広経済研究所長、安原経済研究所次長、加藤総括主任研究官、
土肥原国民経済計算部長  大脇企画調査課長、豊田国民支出課長他

4.議題:

  • GDP速報化検討委員会の審議内容について

5.議事内容:

(1)貞広経済研究所長より挨拶の後、土肥原国民経済計算部長より当委員会の審議内容等について説明。

(2)説明後、GDP速報化の手法等について自由討議。委員からの主な意見等は以下の通り。

①QE早期化のための方策

  • 基礎統計の公表が遅いが、入手時期が早まる可能性はないのか。経企庁が各方面に入手早期化の協力要請できるのか。そうでなければ庁内の作業手順を早めるしかないが、これは難しいのではないか。
  • QEに対する要望には、統計としての信頼性と景気観測のための指標としての速報性の2つが含まれていると思うが、仮に速報性と信頼性がトレードオフの関係であるならば、信頼性を重視すべきではないか。
  • 設備投資の推計について、7-9月期のQEのように、法人企業統計季報に代わり法人企業動向調査を採用することが考えられるが、確報値を出す場合に改訂幅が小さいのであれば問題はない。
  • 現行では、資本形成について公的と民間を分けて公表項目としているが、資本財出荷等を基礎統計として使用すると公的と民間の区分ができない。ドイツにおいてはこうしたやり方をとっているが、公表項目について割り切る考えがあるのか。
  • IIP、工業統計、法人企業統計季報それぞれの在庫投資については各々関係ない動きをしており、どれを使うかという選択の問題になってしまう。
  • QE速報化のネックは設備投資であり、『法人企業統計季報』を使うか否かが判断の一つとしてある。この季報自体はSNA体系(年次推計)の中では使われていない。
    むしろ、年次推計との整合性を保つという観点からも、季報を使わずにやるべきではないか。
  • 代替的アプローチでどこまで早期化できるのか検討すべき。早期化することでカバーできなくなる一次統計を他の資料等で補完する方法で推計してみて、過去10年くらいの信頼性をチェックすべき。
  • 速報化を考えるなら、生産アプローチのGDPの推計を行い、GDP一本の表示でいいのではないか。

②QEとは異なるアプロ-チによるGDP暫定速報値の推計

  • 確率分布モデルなどの使用も検討するようだが、実際に統計として、こうした手法が採択される見込みがあるのか。
  • 速報化の議論の際、必ず予測の部分をどの程度にするかという問題が出てくるが、QEはこれまで「実績の加工統計」という性格を維持してきたことに留意する必要がある。

6.今後のスケジュール:

ワーキンググループにおいて推計手法等に関する詳細な検討等を行い、本委員会に報告する。委員会及びワーキンググループの日程については、決まり次第、事務局より連絡。

以上

なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があり得ます。