平成15年9月調査:法人企業動向調査(四半期)(平成10年3月~16年3月)Business and Investment Survey of Incorporated Enterprises

平成15年11月7日
内閣府 経済社会総合研究所
景気統計部

法人企業動向調査報告


調査時点

平成15年9月25日

回収率
項目 回答法人 回収率
調査対象法人4,510社のうち 4,002社 88.7%

報告書


調査結果の概要

  1. 景気見通し(全産業;季節調整値)
    (1) 国内景気

    企業経営者による国内景気に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成15年4~6月期「−21」の後、7~9月期は「7」と「上昇」超に転じた。

    先行きについては、10~12月期「15」、16年1~3月期「21」と「上昇」超幅は拡大する見通しとなっている。

    産業別にみると、製造業は、15年4~6月期「−16」の後、7~9月期は「9」と「上昇」超に転じた。先行きについては、10~12月期「16」、16年1~3月期「17」と「上昇」超幅が拡大する見通しとなっている。

    他方、非製造業は、15年4~6月期「−26」の後、7~9月期は「4」と「上昇」超に転じた。先行きについては、10~12月期「18」、16年1~3月期「24」と「上昇」超幅が拡大する見通しとなっている。

    (2) 業界景気

    所属業界の景気に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成15年4~6月期「−22」の後、7~9月期は「−6」と「下降」超幅が縮小した。

    先行きについては、10~12月期は「3」と「上昇」超に転じ、16年1~3月期は「6」と「上昇」超幅は拡大する見通しとなっている。

    産業別にみると、製造業は、15年4~6月期「−13」の後、7~9月期は「0」となった。先行きについては、10~12月期「7」、16年1~3月期「6」と「上昇」超が続く見通しとなっている。

    他方、非製造業は、15年4~6月期「−26」の後、7~9月期は「−9」と「下降」超幅が縮小した。先行きについては、10~12月期は「1」と「上昇」超に転じ、16年1~3月期は「5」と「上昇」超幅は拡大する見通しとなっている。

  2. 需要・価格関連見通し(季節調整値)
    (1) 内外需要(製造業)

    企業経営者による国内需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、平成15年4~6月期「−12」の後、7~9月期は「2」と「強くなる」超に転じた。

    先行きについても、10~12月期は「9」と「強くなる」超幅は拡大し、16年1~3月期は「9」と同水準で推移する見通しとなっている。

    他方、海外需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、15年4~6月期「−10」の後、7~9月期は「9」と「強くなる」超に転じた。

    先行きについては、10~12月期は「12」と「強くなる」超幅が拡大した後、16年1~3月期は「9」と「強くなる」超幅が縮小する見通しとなっている。

    (2) 在庫水準(製造業)

    原材料在庫水準に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、平成15年6月末「11」の後、9月末は「9」と「過大」超幅が縮小した。

    先行きについても、12月末「7」、16年3月末「5」と引き続き「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。

    他方、完成品在庫水準に関する判断指標をみると、15年6月末「17」の後、9月末は「16」と「過大」超幅が縮小した。

    先行きについても、12月末「10」、16年3月末「8」と引き続き「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。

    (3) 価格(製造業、農林漁業、鉱業)

    原材料価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成15年4~6月期「7」の後、7~9月期は「8」と「上昇」超幅が拡大した。

    先行きについては、10~12月期「6」、16年1~3月期「1」と「上昇」超幅が縮小する見通しとなっている。

    他方、製品価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、15年4~6月期「−16」の後、7~9月期は「−11」と「下降」超幅が縮小した。

    先行きについては、10~12月期「−10」、16年1~3月期「−12」とほぼ同水準で推移する見通しとなっている。

  3. 経営見通し(季節調整値)
    (1) 売上高(全産業;金融・保険業、不動産業を除く)

    売上高に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、平成15年4~6月期「−9」の後、7~9月期は「−2」と「減少」超幅が縮小した。

    先行きについては、10~12月期は「4」と「増加」超に転じ、16年1~3月期は「7」と「増加」超幅は拡大する見通しとなっている。

    産業別にみると、製造業は、15年4~6月期「−5」の後、7~9月期は「4」と「増加」超に転じた。先行きについては、10~12月期「9」、16年1~3月期「10」と「増加」超幅は拡大する見通しとなっている。

    他方、非製造業は、15年4~6月期「−12」の後、7~9月期は「−5」と「減少」超幅が縮小した。先行きについては、10~12月期「0」となり、16年1~3月期「4」と「増加」超に転じる見通しとなっている。

    (2) 経常利益(全産業;金融・保険業、不動産業を除く)

    経常利益に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、平成15年4~6月期「−8」の後、7~9月期は「−1」と「減少」超幅が縮小した。

    先行きについては、10~12月期は「5」と「増加」超に転じ、16年1~3月期は「6」と「増加」超幅は拡大する見通しとなっている。

    産業別にみると、製造業は、15年4~6月期「−4」の後、7~9月期は「3」と「増加」超に転じた。先行きについては、10~12月期「8」、16年1~3月期「12」と「増加」超幅が拡大する見通しとなっている。

    他方、非製造業は、15年4~6月期「−12」の後、7~9月期は「−6」と「減少」超幅が縮小した。先行きについては、10~12月期は「2」と「増加」超に転じ、16年1~3月期は「2」と同水準で推移する見通しとなっている。

  4. 生産設備見通し(製造業;季節調整値)

    生産設備に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、平成15年4~6月期「21」の後、7~9月期は「18」と「過大」超幅が縮小した。

    先行きについては、10~12月期は「16」と「過大」超幅が拡大し、16年1~3月期は「16」と同水準で推移する見通しとなっている。

  5. 設備投資の動向(全産業;原数値)
    (1) 半期の動向

    設備投資の動向を半期別に前年同期比でみると、平成14年度10~3月期(実績)4.3%減の後、15年度4~9月期(実績見込み)は4.4%増と増加に転じた。

    先行き15年度10~3月期(計画)は、1.4%減と減少に転じる見通しとなっている。

    産業別にみると、製造業は、14年度10~3月期17.9%減の後、15年度4~9月期は1.4%減と引き続き減少した。先行き15年度10~3月期(計画)は、3.3%増と増加に転じる見通しとなっている。

    他方、非製造業は、14年度10~3月期1.7%増の後、15年度4~9月期は7.0%増と引き続き増加した。先行き15年度10~3月期(計画)は、3.0%減と減少に転じる見通しとなっている。

    (2) 資本金規模別動向

    資本金規模別に前年同期比でみると、資本金10億円以上の大企業は、14年度10~3月期(実績)0.3%増の後、15年度4~9月期(実績見込み)は7.1%増と引き続き増加した。先行き15年度10~3月期(計画)は0.2%増と引き続き増加する見通しとなっている。

    他方、資本金1~10億円の中堅企業は、14年度10~3月期(実績)12.0%減の後、15年度4~9月期(実績見込み)0.8%減と引き続き減少した。先行き15年度10~3月期(計画)は、4.4%減と引き続き減少する見通しとなっている。

    (3) 年度の動向

    平成15年度の全産業の設備投資額(修正計画I)は約38兆円で、前年度に比べ1.2%増の見通しとなっている。これは当初計画(3月調査時)に比べ、9.8%の上方修正となっている。

    産業別にみると、製造業は、約10兆8千億円で、前年度に比べ0.9%増の見通し(当初計画比0.1%の下方修正)となっている。

    他方、非製造業は、約27兆2千億円で、前年度に比べ1.4%増の見通し(当初計画比14.3%の上方修正)となっている。

    また、資本金規模別にみると、資本金10億円以上の大企業では、前年度に比べ3.3%増の見通しとなっている。このうち製造業は5.5%増、非製造業は2.5%増の見通しとなっている。

    他方、資本金1~10億円の中堅企業は、2.7%減の見通しとなっている。このうち製造業は7.5%減、非製造業は0.8%減の見通しとなっている。

    (4) 四半期の動向(季節調整値)

    四半期の動向を前期比でみると、4~6月期(実績)1.6%減の後、7~9月期(実績見込み)は3.4%増と増加に転じた。

    産業別にみると、製造業は、4~6月期2.4%減の後、7~9月期は16.1%増と増加に転じた。

    他方、非製造業は、4~6月期0.1%増の後、7~9月期は1.5%減と減少に転じた。

    (5) 四半期の動向(原数値)

    四半期の動向を前年同期比でみると、4~6期(実績)0.8%増の後、7~9月期(実績見込み)は7.5%増と引き続き増加した。

    産業別にみると、製造業は、4~6月期14.8%減の後、7~9月期は11.1%増と増加に転じた。

    他方、非製造業は、4~6月期8.3%増の後、7~9月期は5.8%増と引き続き増加した。


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