ESRI Discussion Paper No.407 賃金伸び率のばらつきの動向
2026年9月
- 神林 龍
- 武蔵大学経済学部教授
- 上野 有子
- 内閣府経済社会総合研究所研究協力者
一橋大学大学院経済学研究科
要旨
2023年以降、春闘の賃上げ率に顕著な高まりがみられるが、本稿ではこうした賃上げ率の変化に広まりがみられるか、検証を行う。性・年齢・学歴等賃金水準に影響を及ぼす基本的な属性が同じ雇用者のグループごとに、平均的な賃金の伸び率を算出すると、そのばらつきは2000年代後半以降、2010年代末にかけて縮小する傾向にあったが、コロナ禍でいったん上昇した後、23年以降急激に上昇している。分散分解の結果、2006年以降2010年代末までのばらつきの縮小は、属性間の伸びのばらつきの縮小ではなく、同じ属性の雇用者間の伸びのばらつきの縮小によるものであることが示唆された。労働市場の需給動向が賃金上昇に反映されてきた2023年以降は賃金伸びのばらつきが拡大し、特に企業規模間、地域間での伸びの違いが、ばらつき拡大に大きく寄与している。背景には、コロナ禍以降の回復局面において、一部の企業で収益性が大きく高まる中で、規模間や地域間の賃上げ体力の差が大きくなっていることが考えられる。
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全文の構成
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要旨3ページ
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1. はじめに6ページ
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2. 既存研究8ページ
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3. データ10ページ
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(1)データの概要10ページ
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(2)賃金伸び率の動向11ページ
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①伸び率の分布11ページ
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②賃金水準と伸び率の関係12ページ
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③伸び率のばらつきの動向15ページ
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(3)賃金伸びの分散分解20ページ
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4. 結果22ページ
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5. 頑健性の確認27ページ
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中央値以外の統計値の動向の確認27ページ
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セルの分割を細分化した時の動向の確認28ページ
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6. 結論29ページ
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Appendix コホート別の賃金伸びの動向53ページ