消費動向調査の季節調整値の改訂について(令和7年3月実施調査)
季節調整値の改訂について
消費動向調査は、毎年3月実施調査の公表時に季節調整値の改訂を行っている。
本年においても、以下の系列について、令和6(2024)年度分のデータを追加し、米国センサス局のX-12-ARIMAにより、季節調整値を遡及改訂した。
- 消費者意識指標(「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」「資産価値」)
※いずれも二人以上の世帯の計数のみ。
なお、今般改訂される季節調整値は、平成25(2013)年4月実施調査以降の数値のみであり、それ以前の公表値は改訂しない。
季節調整の方法
消費者意識指標のうち、「資産価値」を除く4項目は、X-12-ARIMAによる(選定したモデルは別表のとおり)。
「資産価値」については、X-12-ARIMAのうちX-11デフォルトを使用した。
季節調整に当たり使用したデータは以下のとおり。
平成16(2004)年4月~平成25(2013)年3月:訪問留置調査法による調査結果
平成25(2013)年4月~平成30(2018)年9月:郵送調査法による調査結果
平成30(2018)年10月~令和7(2025)年3月:郵送・オンライン併用調査法による調査結果
意識指標の季節調整系列のスペック概要一覧
(1)暮らし向き(データ期間:平成16(2004)年4月~令和7(2025)年3月) | |
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データ加工 | 対数なし |
曜日調整・異常値等(注1)(注2) | 調査方法ダミー、異常値(AO2020.Mar、TC2020.Apr、LS2022.Mar) |
ARIMAモデル(注1) | (110)(000) |
X11パートの設定(注3) | a.モデルタイプ:加法型 |
b.移動平均項数:seasonalma=MSR(3×5が選定) | |
c.ヘンダーソン移動平均項数:13項 | |
d.特異項の管理限界:(下限1.5σ上限2.5σ) | |
その他(注4) | 予測期間は48か月 |
(2)収入の増え方(データ期間:平成16(2004)年4月~令和7(2025)年3月) | |
データ加工 | 対数なし |
曜日調整・異常値等(注1)(注2) | 調査方法ダミー、異常値(LS2020.Mar、TC2020.Apr) |
ARIMAモデル(注1) | (010)(011) |
X11パートの設定(注3) | a.モデルタイプ:加法型 |
b.移動平均項数:seasonalma=MSR(3×5が選定) | |
c.ヘンダーソン移動平均項数:13項 | |
d.特異項の管理限界:(下限1.5σ上限2.5σ) | |
その他(注4) | 予測期間は48か月 |
(3)雇用環境(データ期間:平成16(2004)年4月~令和7(2025)年3月) | |
データ加工 | 対数なし |
曜日調整・異常値等(注1)(注2) | 調査方法ダミー、異常値(TC2011.Apr、AO2013.Sep、LS2020.Mar、TC2020.Apr、LS2021.Jun) |
ARIMAモデル(注1) | (110)(011) |
X11パートの設定(注3) | a.モデルタイプ:加法型 |
b.移動平均項数:seasonalma=MSR(3×5が選定) | |
c.ヘンダーソン移動平均項数:13項 | |
d.特異項の管理限界:(下限1.5σ上限2.5σ) | |
その他(注4) | 予測期間は36か月 |
(4)耐久消費財の買い時判断(データ期間:平成16(2004)年4月~令和7(2025)年3月) | |
データ加工 | 対数なし |
曜日調整・異常値等(注1)(注2) | 調査方法ダミー、異常値(TC2020.Apr) |
ARIMAモデル(注1) | (110)(000) |
X11パートの設定(注3) | a.モデルタイプ:加法型 |
b.移動平均項数:seasonalma=MSR(3×5が選定) | |
c.ヘンダーソン移動平均項数:9項 | |
d.特異項の管理限界:(下限1.5σ上限2.5σ) | |
その他(注4) | 予測期間は48か月 |
- 注1:ARIMAモデルの選定については、次のとおり行っている。 まず、「調査方法ダミー」(平成16(2004)年5月から平成19(2007)年2月(6、9、12、3月を除く月)において実施した電話調査に対応。)の有無別に、X-12-ARIMAのモデル選定機能(automdlコマンド)を用いてARIMAモデルの階差及び次数を選定し採用候補を作成する。 次に、調査方法ダミーを含めることの統計的な妥当性を検証の上、AICが一番小さい候補を採用する。曜日調整・うるう年調整は行っていない。
- 注2:異常値検出は、X-12-ARIMAのoutlierコマンドを用いている。
- 注3:X11パートの設定項目のうちb及びcはX11コマンドによる選定結果を用いている。
- 注4:予測期間はMAPRが最小となるものを選択。