所長挨拶(就任にあたって)

経済社会総合研究所は、省庁再編に伴い2001年の設立以来、内閣府のシンクタンクとして理論と政策の橋渡しを行ってまいりました。経済政策・社会政策についての理論に基づいた研究を行うとともに、政策研究を担う人材の育成・研修に取り組んでいます。また、国民経済計算、景気動向指数や機械受注などの統計を公表しています。

これからは、特に次の点に力を入れて取り組んでいきたいと思っています。

第一は、統計作成部門としての研究所の強化です。現在政府では、GDP統計を軸にした経済統計の改善に向けた取組が進められています。関係府省と共同した長期にわたる作業を着実に進め、GDP推計の基盤となる産業連関表を抜本的に改善するなど、統計精度の向上を図ってまいります。また、情報通信技術の発展や経済のサービス化など、経済を巡る環境が大きく変化する中で、的確に経済活動を測ることのできるよう、その手法の研究・開発を進めてまいります。

第二は、当研究所の研究部門における、マクロ経済と生産性・成長力に関する研究の充実です。行政庁に直属する研究所として、政策形成に寄与する研究を進めることは、そもそもの存立基盤といっても過言ではありません。現在、我が国が直面している、人口減少や少子高齢化といった課題を克服するために鍵とされているのは、デジタル化を原動力とする「Society5.0」の実現を通じた潜在成長率の引上げ、すなわち成長力の強化です。そのための政策を立案・実行する上で参考となる知見の提供に向けた研究を進めてまいります。

研究所の活動を通じて経済社会の発展に貢献できるよう、これまでの経験を活かしながら、清家篤名誉所長のご指導を得て、全力で取り組んでまいりたいと考えています。

皆様のご支援を心からお願いいたします。

令和元年7月9日

内閣府 経済社会総合研究所
所長 井野靖久