ESRI Discussion Paper No.358 我が国世帯間所得格差の計測と要因分解:『全国消費実態調査』個票による格差指標の再計測

2020年12月
堀 雅博
内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官、一橋大学国際・公共政策大学院教授
前田 佐恵子
内閣府経済社会総合研究所特別研究員
菅 史彦
内閣府経済社会総合研究所客員研究員、九州大学経済学部助教

要旨

本研究では、「全国消費実態調査」の個票データを用い、1990年代~2000年代における我が国世帯間の所得格差を、先行研究よりも高い精度で測定することを試みた。所得格差指標の既存の推定値に内在していた、サンプルの偏りによるバイアスを取り除くため、本研究では「国勢調査」の個票データを用いて独自のウェイトを作成し、ジニ係数、相対的貧困率、平均対数偏差、対数分散の四つの格差指標を計算した。その結果、「全国消費実態調査データ」を用いて行われてきた先行研究が示す所得格差は、サンプルの偏りにより、我が国の所得格差を過小評価している可能性があることがわかった。一方、先行研究でも明らかにされていた通り、日本における所得格差は税・社会保障制度による再分配制度によって相当程度緩和されており、可処分所得の格差拡大は1990年代~2000年代を通じて緩やかなものであったことが確認できた。更に、少子高齢化や核家族化、共働きの増加等の世帯構成の変化が格差拡大に寄与する程度は、1990年代における格差拡大の約40-50%、2000年代の格差拡大の約30-40%であることがわかった。

  • JEL 分類番号:D31, N35, C83
  • キーワード:所得分配、不平等(格差)指標、抽出率調整

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Introduction - Referencesopen pdf in new window(PDF形式 404KB)

  1. 1. Introduction
    2ページ
  2. 2. Data Sources
    5ページ
  3. 3. Empirical Methodology
    9ページ
  4. 4. Results
    21ページ
  5. 5. Conclusion
    32ページ
  6. References
    34ページ
  7. Tables & Figuresopen pdf in new window(PDF形式 2.8MB)
    39ページ(2ページ)
  8. Appendixopen pdf in new window(PDF形式 3.6MB)
    69ページ(2ページ)